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業務システムこそUIデザインが重要な3つの理由
2020/07/18
「社内の人間しか使わないから、デザインは適当でいいよ」
「社内の人間しか使わないから、デザインには金かけなくていいよ」
「社内の人間しか使わないから、マニュアルに書いとけばいいよ」
...などと考えて、UIデザインに無頓着なプロジェクトマネージャー(PM)や開発会社の方は、比較的多いようです。
しかし、本当にそうでしょうか?
実は、UIデザインに無頓着なPMや開発者が原因で破たんしてしまった社内システムプロジェクトの例、というのは、案外多いのです。
もしも、ひどいUIデザインの業務システムを作ってしまったら。。。
1.使い勝手の悪い業務システムは、それだけで、現場の時間を奪う
マニュアルを読まないと使えないようなシステムは、確実に現場の時間を奪います。
仮に1000人規模のシステムなら、
マニュアルを読むのに、1回10分でも時間を取られたとすると、それだけで
10000分≒167時間≒20人日
もの工数が毎月無駄に費やされることになります。
人に使い方を教わらないと使えないレベルだと、さらにダブル・トリプルで現場の時間を奪ってしまいます。
2.サポートセンターが必要な業務システムは、その運用コストがかさむ。最悪、開発者の首を絞める
使い方や運用が、マニュアルだけではフォローできず、しょっちゅう問合せが必要なら、サポートセンターを設置するしかありません。また、そこまででなくとも、システムの開発者がその役割を果たさざるを得ない状況に陥ります。しかも、そういうサポート業務のために、開発者が次の開発に着手できない、という事態になる可能性すら大いにあります。
3.使いにくい社内業務システムは、現場の生産性とモチベーションを著しく落とす
ISO13407での「ユーザから見た品質の段階の定義」によると、
仕様として実装されていたとしても、「使い方がわからなくて使えないシステム」は、現場のユーザーから見ると「不良品」です。
「マニュアルを見ればなんとか使える」、「使いづらいけど我慢している」、「他にないので仕方なく使っている」なども、現場としては「不完全なシステム」です。
一般の公開サイトなら、すぐに離脱して他のサイトを探しにいけば良いですが、こと社内の業務システムとなると、現場はそれと向き合うことを強制され、毎日使わざるを得ません。
使い勝手の悪い業務システムは、現場の時間だけでなく、仕事に対する「モチベーション」をも奪います。そしてその怒りの矛先は、必然的に開発者、ひいては会社へと向かいます。
このような現場の声から、何億もの費用を費やして開発した社内業務システムが結局お蔵入りになってしまった例も多々あるのです。その損失たるや、金銭だけの問題でなく、社内の人間関係まで悪化させ、社内外の優秀な人材を失うきっかけになってしまうケースすらあります。
現場が毎日の業務を効率的に、スムーズに遂行できるには、ひとつひとつの機能の使い勝手・ユーザインタフェースについて、しっかり吟味され、デザインされていることが不可欠です。
業務システムの設計段階で、実績と能力のあるUIデザイナーを巻き込んで、ユーザインタフェースデザインやユーザビリティにしっかりと知恵と費用を注いでおくこと。それが、結果的にコストダウンや現場の生産性改善につながり、社内システムの成功に直結するのです。