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業務システムはUIUXが成功の鍵!使いやすさがもたらす真の価値とは


2025/02/07 

仕様通りに作ったのに「使いにくい」と言われる理由とは?また、それがもたらす真の問題点とは?この記事では、業務システムのUIUXの重要性を理解し、開発の成功につなげるポイントを紹介します。

よくある課題:なぜ「使いにくい」と言われるのか?

業務システムを開発する際、仕様書通りに作ったはずなのに、

  • 「使いにくい」とユーザーからクレームが入る
  • マニュアルに記載されているのに、トラブルが頻発する
  • デザイン修正や見た目の改善対応が増え、工数が膨大になる

といった問題が発生することがあります。

これは、単なるUI(見た目)の問題ではなく、システムのUX(ユーザー体験)の設計が不十分である可能性が高いのです。

これらの問題の根本的な原因

なぜ「使いにくい」システムになってしまうのか? その主な原因は以下の3つです。

1. ユーザー視点を欠いた開発プロセス

開発者が技術や機能の実装を優先するあまり、実際のユーザーがどのようにシステムを使うかを深く考慮しないまま設計が進むケースが多いです。

2. 見た目だけを重視するアプローチ

UIデザインを「美しい画面」にすることが目的となり、操作性やユーザービリティが二の次になることがあります。見た目が整っていても、直感的に操作できなければ意味がありません。

3. UIUX設計の基本手法が共有されていない

開発チーム内でUIUX設計の知識や手法が十分に共有されていないと、属人的な判断でUIが決まり、統一感のないシステムになってしまいます。

UIUX指向アプローチの重要性

「機能実現的」アプローチ

  • システム機能を重視し、「要求機能を全て盛り込む」
  • ユーザーが操作方法を学ぶ前提で設計
  • マニュアルやトレーニングが前提のシステムになりがち

このアプローチでは、たとえ要件通り機能が実装されたとしても、使いにくいシステムになりやすく、ユーザーからの不満につながります。

UIUX指向アプローチ

  • 「誰がどう使うか」を最優先に考える
  • シンプルで迷わない操作性を実現し、ユーザーの満足度を向上
  • マニュアルに頼らず、直感的に操作できるシステムを目指す

ユーザーの視点に立ち、不要な手順や複雑な操作を減らすことで、業務効率を高めることができます。

悪いUIデザインがもたらすダメージ

UIUXの設計が不十分な業務システムは、単なる「使い勝手」の問題にとどまらず、企業に大きな損害をもたらす可能性があります。

1. 手戻りや納期遅延、開発コストの増加

使いにくいと指摘されたUIを修正するために、後からデザインを変更することになり、工数が膨らんでしまいます。

2. 運用トラブルやクレームの頻発

直感的に操作できないシステムは、現場でのトラブルを増やし、サポートコストの増加を招きます。

3. ユーザーからの信頼を大きく損ねる

業務システムは日々使うものだからこそ、ユーザーの不満が積み重なると、システムそのものの評価が落ちてしまいます。最悪の場合、システムそのものがお蔵入りとなるだけでなく、次のプロジェクトで自社のシステムが選ばれなくなる可能性もあります。

4. UIUXの悪さが引き起こす具体的な損失コスト

例えば、1000人のユーザーが毎日10分間システムの使いにくさで迷うと、

  • 1日あたり:1000人 × 10分 = 10,000分(約166.67時間)
  • 1年間(365日):166.67時間 × 365日 = 約60,833時間
  • 時給2,000円の場合:60,833時間 × 2,000円 = 約1億2,166万円の損失

さらに、導入コスト・教育コスト・運用サポートコストも膨らみます。

  • 教育コスト:新人研修やマニュアル作成にかかる時間(年間500時間 × 時給2,000円 = 約1,000万円)
  • 運用サポートコスト:ヘルプデスク対応時間(年間1,000時間 × 時給3,000円 = 約3,000万円)
  • 追加開発コスト:UI修正のための開発工数(年間1,500時間 × 時給5,000円 = 約7,500万円)

合計すると、年間で約2億3,666万円の損失が発生する可能性があります。

まとめ:UIUX設計は開発コストと運用コストを左右する

UIUX設計は単なる「見た目」の問題ではなく、開発コスト、運用コストの両面で影響を及ぼします。
使いやすい業務システムを作ることは、エンジニアにとっても、企業にとっても大きなメリットとなるのです。

  • UIUXを意識した設計で、後戻りの発生を防ぐ
  • シンプルで直感的な操作性を追求する
  • ユーザーの業務フローを理解し、最適なUIを設計する

これらの視点を持つことで、業務システムの価値を最大化し、エンジニアとしての評価も高めることができるでしょう。