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システム開発にUIUXデザイナーが不可欠な理由|W字モデルの限界と新たなアプローチ


2025/02/08 

システム開発でUIUXデザイナーをチームに入れるメリットとは?W字モデルの限界を解説し、新たなアプローチ『W+UIUXモデル』を提唱。開発の質を向上させるポイントを詳しく紹介。

はじめに:UIUXデザイナーの重要性とは?

システム開発において、UIUXデザインの重要性はますます高まっています。

従来の開発プロセスでは、エンジニアやプロジェクトマネージャー(PM)が中心となり、機能実装やテストが進められてきました。しかし、ユーザーが直感的に使いやすいシステムを作るためには、UIUXデザイナーが開発の初期段階から関わることが不可欠です。

本記事では、UIUXデザイナーの役割と「W字モデル」の限界、そして新たな開発アプローチ「W+UIUXモデル」について解説します。

UIUXデザイナーの役割とは?

1. ユーザー中心設計の推進

UIUXデザイナーは、システムのユーザビリティを向上させるために、以下のような役割を果たします。

  • 情報設計(IA):ユーザーが迷わず操作できるように、情報の構造を整理
  • プロトタイピング:開発前に画面設計を作成し、ユーザー目線で問題点を洗い出す
  • ビジュアルデザイン:直感的なUIを提供し、ユーザーの負担を軽減
  • デザインツールを活用した早期検証:Figmaなどのツールを使い、プロトタイプレベルで要件や使い勝手の検証が可能

2. エンジニア・PMとの橋渡し

  • ユーザーの声を反映した設計
  • 仕様変更時の影響を最小限に抑えるデザインプロセス
  • 開発とデザインのスムーズな連携

W字モデルの限界とは?

近年、多くの開発現場では「W字モデル」と呼ばれる手法が採用されています。
これは、要件定義からテストまでのプロセスを「開発」と「テスト」の2つのフェーズに分け、並行して進めるものです。

しかし、W字モデルには以下のような限界があります。

  1. ユーザー視点の欠如:開発とテストを並行しても、UIUXに関する検証が後回しになり、ユーザー体験が十分に考慮されないことが多い。
  2. 後戻りの発生:リリース直前にユーザビリティの問題が発覚し、大幅な修正が必要になる。
  3. 開発コストの増大:設計段階でUXを考慮しないと、手戻りによるコストが増加する。

新たなアプローチ「W+UIUXモデル」

1. 「W+UIUXモデル」とは?

従来のW字モデルにUIUXデザイナーを加えた新たなアプローチが「W+UIUXモデル」です。
これは、開発の上流工程からUIUXデザイナーが関与し、要件定義やプロトタイピング、ユーザーテストまでを一貫して担当するモデルです。

2. 「W+UIUXモデル」のメリット

  • 設計の初期段階からユーザー視点を反映:ユーザー体験を最適化するため、開発後の手戻りが減る。
  • 開発スピードの向上:UIUXデザイナーが仕様策定に関与することで、開発プロセスの効率化が可能。
  • テスト工程の強化:UIUXデザイナーがユーザビリティテストを主導し、実際の利用シナリオをもとに改善点を明確化。

ユーザテスト工程にUIUXデザイナーが関与するメリット

1. ユーザー視点での問題点を早期発見

エンジニア主導のテストでは、機能の動作確認が中心になりがちです。

一方で、UIUXデザイナーが関与することで、ユーザー目線での課題を早期に発見できます。

2. 定量・定性データを活用した改善サイクル

  • ヒートマップ分析、A/Bテスト、インタビューなどを活用し、ユーザー行動を分析
  • UIの微調整やナビゲーションの最適化を迅速に実施

3. 開発チームとの円滑な連携

  • UIUXデザイナーがテスト結果を直接フィードバックすることで、仕様修正の意思決定がスムーズになる
  • 開発側も、デザイン上の意図を理解しやすくなるため、無駄な修正が減少

4. エンドユーザーの満足度向上

UIUXデザイナーが主導するユーザーテストを通じて、より直感的でストレスのない操作性を提供可能になります。

まとめ:UIUXデザイナーを開発に組み込むべき理由

システム開発において、UIUXデザイナーの存在は単なるデザインの領域にとどまりません。

「W+UIUXモデル」を採用することで、

  • 設計段階からユーザー視点を取り入れ
  • 手戻りを最小限に抑え
  • システムの完成度を高める

ことが可能になります。

開発の現場でより使いやすいシステムを作るためには、UIUXデザイナーをチームに加えることが不可欠です。

企業としても、長期的な視点でUIUXに投資することで、システムの品質向上とユーザー満足度の最大化を実現できるでしょう。